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佐伯 正克; 中田 正美; 山下 利之; 中本 忠宏*; Krot, N. N.*
Radiochimica Acta, 80(2), p.89 - 94, 1998/00
幾つかのフタル酸ネプツニル(V)を初めて合成し、その性質を調べた。濃い5価ネブツニル溶液から室温で生じる化合物は7水塩であり、368Kのより低濃度の溶液からは6水塩が得られた。前者は無定型化合物であり、水に対する溶解度が大きい。後者は、化合物の重量変化及び示差熱変化の結果から、367、423、463Kで吸熱的に水分子を放出し、1水塩に変化する。この1水塩は空気中に放置すると4水塩へと変化する。6水塩の固相電子吸光分析及び赤外吸収スペクトルの結果から、構造中にNpO-NpO相互作用が存在し、NpOは互いに2座配位子として作用していることが示唆された。メスバウアスペクトル測定結果からは、ネプツニウム周りの酸素配位数は7であること、NpOは互いに2座配位子として作用し2次元ネットワークを構成している可能性が高いことが明らかになった。